コラム

「売上より大事な数字ー粗利率と固定費で会社の未来は決まる」

「売上より大事な数字 ― 粗利率と固定費が会社の未来を決める」

  1. 「売上=強い会社」ではない

工務店の経営相談でよく耳にするのが、 「売上はあるのに、なぜかお金が残らない」という悩みです。 例えば、こんなケースがあります。

  • A:売上1億円、粗利率20% → 粗利=2,000万円
  • B:売上8,000万円、粗利率40% → 粗利=3,200万円

数字を見れば一目瞭然。 売上はA社の方が大きいのに、利益を生み出す力はB社の方が強い。 つまり「売上の大きさ=会社の強さ」ではありません。 本当に大事なのは、売上の質=粗利率 です。

  1. 固定費という“毎月の家賃”

もうひとつ忘れてはいけないのが固定費です。 固定費とは「売上の大小にかかわらず、毎月必ず出ていくお金」。

  • 事務所の家賃
  • 社員の人件費
  • 車両リース・保険料
  • 通信費・光熱費
  • 広告宣伝費

これらは一度契約したら、簡単には減りません。 まさに会社が生きていくための「家賃」のようなものです。

  1. 粗利率 × 売上 − 固定費 = 利益

会社にお金が残るかどうかは、次の公式で決まります。 「売上を増やす」ことよりも、 「粗利率を高める」「固定費を見直す」方が、実は会社を楽にする近道です。

  1. 損益分岐点を知ることが第一歩

会社が「黒字か赤字か」を分ける境界線が 損益分岐点売上 です。 計算はシンプル。 損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 粗利率 例:

  • 固定費=150万円
  • 粗利率=30%

⇨ 150万円 ÷ 0.3 = 月商500万円 つまり、月500万円の売上を超えて、初めて利益が出ます。 これを知らずに走り続けるのは、地図を持たずに山登りするようなものです。

  1. 実際の改善事例

ある工務店では、毎月の固定費を丁寧に洗い出した結果、不要な広告費や使っていないリースを見直し、月20万円の固定費削減に成功しました。 さらに粗利率を2%改善(28% → 30%)したことで、 年間で300万円以上の利益改善に。 「売上をもっと上げなければ!」と悩んでいた社長も、 数字を整理しただけで会社の資金繰りが一気に楽になったのです。

  1. 社長がやるべきアクション

今日からできる実践ポイントは3つ。 1.粗利率を把握し、改善を意識する → 値引きより付加価値。仕入先との交渉や工期短縮も効果的。 2.固定費をリスト化して“見える化”する → 毎月の家賃、人件費、リース料を数字で答えられるように。 3.損益分岐点を毎月チェックする → 売上目標の根拠が生まれ、社員にも共有しやすい。

  1. まとめ

売上を追うだけでは、お金は残りません。 大切なのは、粗利率と固定費のバランス。 ⇨ 粗利率 × 売上 − 固定費 = 利益 この公式を経営の軸に据え、毎月の数字をチェックすることが、 “お金が残る会社”への第一歩です。 次回は【信頼蓄積型営業】をテーマに、 「紹介を生む営業スタイル」について解説します。

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