コラム
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「売上より大事な数字 ― 粗利率と固定費が会社の未来を決める」
工務店の経営相談でよく耳にするのが、 「売上はあるのに、なぜかお金が残らない」という悩みです。 例えば、こんなケースがあります。
数字を見れば一目瞭然。 売上はA社の方が大きいのに、利益を生み出す力はB社の方が強い。 つまり「売上の大きさ=会社の強さ」ではありません。 本当に大事なのは、売上の質=粗利率 です。
もうひとつ忘れてはいけないのが固定費です。 固定費とは「売上の大小にかかわらず、毎月必ず出ていくお金」。
これらは一度契約したら、簡単には減りません。 まさに会社が生きていくための「家賃」のようなものです。
会社にお金が残るかどうかは、次の公式で決まります。 「売上を増やす」ことよりも、 「粗利率を高める」「固定費を見直す」方が、実は会社を楽にする近道です。
会社が「黒字か赤字か」を分ける境界線が 損益分岐点売上 です。 計算はシンプル。 損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 粗利率 例:
⇨ 150万円 ÷ 0.3 = 月商500万円 つまり、月500万円の売上を超えて、初めて利益が出ます。 これを知らずに走り続けるのは、地図を持たずに山登りするようなものです。
ある工務店では、毎月の固定費を丁寧に洗い出した結果、不要な広告費や使っていないリースを見直し、月20万円の固定費削減に成功しました。 さらに粗利率を2%改善(28% → 30%)したことで、 年間で300万円以上の利益改善に。 「売上をもっと上げなければ!」と悩んでいた社長も、 数字を整理しただけで会社の資金繰りが一気に楽になったのです。
今日からできる実践ポイントは3つ。 1.粗利率を把握し、改善を意識する → 値引きより付加価値。仕入先との交渉や工期短縮も効果的。 2.固定費をリスト化して“見える化”する → 毎月の家賃、人件費、リース料を数字で答えられるように。 3.損益分岐点を毎月チェックする → 売上目標の根拠が生まれ、社員にも共有しやすい。
売上を追うだけでは、お金は残りません。 大切なのは、粗利率と固定費のバランス。 ⇨ 粗利率 × 売上 − 固定費 = 利益 この公式を経営の軸に据え、毎月の数字をチェックすることが、 “お金が残る会社”への第一歩です。 次回は【信頼蓄積型営業】をテーマに、 「紹介を生む営業スタイル」について解説します。
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【KSN地域密着工務店サポート室】