コラム

【第2回】求人票に応募が来ないのは、なぜ?

2求人票に応募が来ないのは、なぜ?

〜“伝え方”と“導線”を変えるだけで、反応は変わる

こんにちは。KSN代表の今西英昭です。
前回は、制度ではなく“信頼”が人材定着の土台になるというお話を、上田真士さんのインタビューをもとにお届けしました。

今回は、その前段階である「採用」の話です。
いま中小企業の多くが悩んでいる「求人票を出しても応募が来ない」という課題に、上田さんはどう向き合っているのか?

実践的な改善ポイントをご紹介します。

「ハローワークに出しても、全然来ない」の正体

「無料で出せるから」とハローワークに求人を出していても、反応ゼロ。
でも、その求人票をよく見てみると
——

他社とまったく同じような文言(汎用フレーズ)
“給与”や“仕事内容”だけで、会社の特徴や想いが何も伝わっていない
勤務地・就業時間・福利厚生など、曖昧な記載が多い

これでは、求職者が「応募しよう」と思うきっかけになりません。
上田さんは、こうした「誰にも届かない求人票」を“採用のミスマッチ製造機”と呼び、最初の改善対象に挙げています。

まず見直すべきは、「備考欄」!

ハローワークの求人票には、実は備考欄という“自由に書けるスペース”があります。
上田さんが支援する企業では、この備考欄を以下のように活用しています:

自社ホームページの採用ページURLを記載し、詳しい情報へ誘導
「見学可能」「まずはカジュアル面談OKといった柔らかい言葉を入れる
社員の声・社長の想いなど、温度感のある文章を入れる

この欄の使い方ひとつで、**「この会社、ちょっと見てみようかな」**という反応が生まれるのです。

「入口を増やす」ことが採用力につながる

いまの求職者は、求人票を見てすぐ応募するわけではありません。
むしろ、次のような流れが一般的です:

ハローワークで見つける → Googleで社名検索 → ホームページを見る → SNSを見る → 応募判断

だからこそ、**「検索されることを前提にした採用導線づくり」**が必要です。

上田さんは企業に対して、以下のような「最低限の導線」を提案しています。

自社ホームページに「採用情報」専用ページを設置
求人に関する写真・動画を載せる(スマホで撮影したものでOK
SNSInstagramYouTubeTikTokなど)で社内の雰囲気を発信
そのURLを求人票や名刺、チラシ、備考欄に記載しておく

これらはすべて、“応募のハードルを下げる”仕掛けなのです。

キーワードは、「会社の温度感を伝える」

どれだけ待遇が良くても、どれだけ事業内容が立派でも、
「この会社、なんかいいかも」と思ってもらえなければ、応募にはつながりません。

採用成功のカギは、「会社の温度感」
そのために、「求人票+ホームページ+
SNSで、“あなたの会社らしさ”を見える形にしていくことが大切です。

まとめKSN代表 今西英昭より

求人票や採用導線の改善は、大げさな仕組みや高額な広告に頼らなくても、
「どう伝えるか」「どこに誘導するか」を変えるだけで、大きな差が出てきます。

“伝え方”ひとつで、「人が来る会社」になる。
今回の上田さんのアドバイスは、現場目線のリアルなノウハウです。

次回は、“離職を防ぐ”ための具体的な観察ポイントと社内コミュニケーションについて深掘りしていきます。

次回予告

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