コラム
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「財務と承継を同時に整える」——黒田昌史先生インタビュー①
黒田昌史先生は「財務」「事業承継」「相続」を一気通貫で支援されています。
第1回では、事業承継を成功させるうえで最初に向き合うべき“財務の整え方”を伺いました。
「承継の入口は“財務の見立て”から」。
その背景には、現場で多くの中小企業を見てきたからこその実感があります。
借入・現金・資本のバランス、そしてキャッシュフローの安定——。
数字を整えることが、会社の未来を整える第一歩です。
それでは、黒田先生のお話を詳しくお届けします。
今西: 先生、まず最近の取り組みから教えてください。
黒田: 現在、全国の中小企業を対象に「財務」「事業承継」「相続」を一気通貫で支援しています。対象となるのは、売上規模で言えば3億〜10億円前後(全体では3〜50億円)ほどのオーナー企業が中心です。いわば、“会社の血液であるお金の流れ”と“次の世代への承継”を同時に整えるのが、私の役割です。
今西: なるほど。最初のご相談はどんなケースが多いのでしょうか?
黒田: 一番多いのは「事業承継を考えている」というご相談です。ですが、実際に中身を見てみると、まず「財務基盤を整えないと承継できない」ケースが多いんです。だから、最初にするのは財務の精査。強い会社は承継に進み、弱い会社はまず財務の立て直しから。キャッシュをプラスにできる目処が立った時点で、承継の設計を並行して進めます。
今西: 財務が出発点というのは印象的ですね。
黒田: はい。経営者がどれだけ想いを持っていても、キャッシュが回らなければ承継は止まります。借入が多く、現金が少なく、資本が薄い状態では、後継者が引き継ぎたくても引き継げません。だから、まずは「現金・借入・資本」のバランスを整えることから始めるんです。
今西: その取り組みの背景には、経営環境の変化もありますか?
黒田: そうですね。中小企業の多くは、これまで“勘と経験”で経営されてきました。でも今は、原価高騰、人材不足、金利上昇など、感覚では判断できない時代。経営に必要なのは、「勘」ではなく「数字」をもとにした意思決定です。
今西: なるほど。数字に強くなることが、未来を強くすることにつながると。
黒田: まさにそうです。財務を強くするというのは、「数字を理解し、未来を設計できる経営者になる」ということ。私はそこに寄り添いたいと思っています。
今西コメント:
“財務を整えることが、承継を動かす”。黒田先生の言葉は、中小企業の現実を突いています。
会社を止めないためには、まず数字を正しく見ること。
もし今、「数字が苦手」「試算表を見てもピンとこない」と感じているなら、それは始め時です。
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