コラム
コラム
有形資産では測れない時代へ──なぜ今「事業性評価」が問われているのか
近年、金融機関の企業評価の考え方が変わり始めています。
これまでの中小企業評価の中心は、土地・建物・設備といった「有形資産」でした。
しかし、この評価軸はすでに限界を迎えています。
なぜなら、多くの中小企業において
**価値の源泉は「モノ」ではなく「事業の中身」**に移っているからです。
■ 背景|なぜ有形資産評価が通用しなくなったのか
日本の中小企業は、
高度成長期のように「設備投資=競争力」という時代を終えました。
現在は、
・知的財産
・ノウハウ
・顧客との関係性
・継続的な改善力
こうした無形の要素によって差が生まれています。
このような背景があり、今年5月から、無形の要素を含めた事業の将来性に基づく融資を後押しする「企業価値担保権」という制度が始まります。
この制度によって、会社の“価値”の評価が
「土地や建物」中心から、事業の継続性や将来性中心に切り替わっていきます。
弁理士・大池聞平先生は、この新しい制度を
「小さな制度変更ではなく、評価の前提が変わる動き」
と表現されていました。
企業価値担保権は、
■ 意味|経営者に何が求められるのか
この流れが意味するのは、非常にシンプルです。
「自社の事業計画を説明できない会社は、評価されない」
売上があるだけでは足りません。
利益が出ているだけでも足りません。
・どのような要素が事業に貢献しているか
・どのような将来像を描いているか
・これらを踏まえ、どのような事業計画を具体的に描いているか
これを言葉で説明できるかが問われます。
■ 経営への落とし込み|最初にやるべきこと
経営者が最初にやるべきことは、
難しい事業計画を作ることではありません。
まずは、
・自社の事業に貢献する「強み」を一言で説明できるか
・強みを「感覚」ではなく「言語」で整理できているか
この確認からで十分です。
事業性評価の時代とは、
経営者の頭の中が評価される時代でもあります。