コラム

差別化とブランドは「戦略」ではなく「経営姿勢」で決まるー大池聞平先生③

差別化とブランドは「戦略」ではなく「経営姿勢」で決まる

――中小企業が誤解しやすいブランドの正体

「差別化しなければいけない」
この言葉は、いまや多くの経営者が口にします。

しかし現実には、
差別化を意識している会社ほど、実は差別化できていない
という場面を数多く目にします。

弁理士・大池聞平先生が指摘していたのも、
この“意識と実態のズレ”でした。

差別化しないといけない、という意識自体は
昔より確実に高まっています。
ただ、それが経営の中に落ちているかは別問題です。

■ 背景|なぜ「差別化」が形骸化してしまうのか

中小企業でよく見られるのが、
次のような取り組みです。

・ロゴやデザインを刷新する

・キャッチコピーを作る

・ホームページをリニューアルする

一見すると「ブランドづくり」に見えますが、多くの場合、経営の中身はほとんど変わっていません。

結果として、

・会社として何を大切にしているのかが伝わらない

・営業・現場・経営者で説明が食い違う

・お客様の印象に残らない

という状態になります。

ここで見落とされがちなのが、
ブランドづくりは、「外向きの表現」の前に「内側の意思決定」から始まる点です。

■ 意味|ブランドづくりは「判断基準を固定すること」

ブランドとは、
「この会社は、こういう会社だ」と
社内外に一貫した認識を持ってもらうための“軸”です。

そのためには「ブランドが目指す姿」を描くことが必要です。

そして、経営者が、

従業員に対し「ブランドが目指す姿」をどのように実現していくのかを明確に示し、

従業員と結束し、

「ブランドが目指す姿」で外部から認識されるよう、

外向きに活動・発信していく。

これにより、顧客の頭の中に、イメージとして、ブランドが形作られていき、

このブランドの商品・サービスが好きといった、

情緒的価値が高まります。

中小企業でもB to Bでも、

ブランド作りで成功している企業は多くあります。

■ 経営への落とし込み|ブランドは「続ける覚悟」で決まる

ブランドづくりで最も難しいのは、始めることではありません。
続けることです。

・すぐに成果が出ない

・周囲から理解されない

・「本当にこれでいいのか」と不安になる

それでも続けられるかどうかは、経営者の覚悟にかかっています。

だからこそ、
ブランドは戦略ではなく、経営姿勢だと言えます。

「何をやるか」以上に、
「何をやらないか」を決められているか。

この判断基準が定まったとき、
差別化は“作るもの”ではなく、
自然ににじみ出るものになります。