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採用がうまくいかない理由は「努力不足」ではありません
―― 学生の“本音”が映し出す、会社の現在地
採用がうまくいかない。
説明会を開いても反応が薄い。
求人媒体に出しても、以前ほど応募が来ない。
こうした声を聞くたびに、「時代が変わったから仕方ない」と片づけてしまいそうになります。
しかし、実際に現場を見ていくと、そこには別の事実が浮かび上がってきます。
採用に苦戦している会社ほど、驚くほど真面目で、誠実で、努力している。
資料は整っている。
説明も丁寧。
経営者も現場も「いい人を採りたい」と本気で考えている。
それでも結果が出ない。
この“報われなさ”は、どこから来ているのでしょうか。
今回お話を伺ったのは、
KSN会員/新卒採用プロフェッショナルの
キャリアサポーターズ株式会社 代表取締役の白根孝昭さんです。
Q:白根さんは、今どんな取り組みに力を入れていますか。
白根氏:
学生が企業と接点を持った**「直後」**の所感を回収することです。
説明会やイベント、面談が終わった直後に、
「どう感じたか」「どこで引っかかったか」「なぜ志望度が上がらなかったか」を
第三者として丁寧に聞いています。
ここで大事なのは、
評価を集めることではありません。
感情がまだ生々しいうちに、本音を聞くことです。
Q:なぜ、そこまで“直後の本音”にこだわるのでしょうか。
白根氏:
時間が経つと、人は理由を“整えて”しまうからです。
「なんとなく合わなかった」という感覚が、
数日後には「条件が合わなかった」「業界が違うと思った」
という言葉に置き換わってしまう。
でも本当は、
・話を聞いてワクワクしなかった
・自分が働く姿を想像できなかった
・質問しづらい雰囲気を感じた
そういった言語化される前の違和感があるんです。
Q:企業側の説明が足りない、ということなのでしょうか。
白根氏:
足りないというより、ズレていることが多いですね。
企業はどうしても、
実績・安定性・業界内での評価を丁寧に伝えます。
それは大切な情報です。
ただ学生が知りたいのは、
「自分はここで、どんな一日を送るのか」
「失敗したとき、誰がどう助けてくれるのか」
といった、もっと生活に近いイメージです。
ある製造業の会社では、
事業内容や技術力の説明は完璧でした。
ところが学生の声を集めてみると、
「すごい会社だとは思うけど、
自分が働く姿が想像できなかった」
という感想が多く返ってきました。
Q:採用がうまくいかない会社ほど、努力している印象があります。
白根氏:
本当にそうです。
採用に悩んでいる会社ほど、
真面目で、誠実で、「ちゃんとやろう」としている。
ただ、「相手が何を知りたいか」を
確認する機会がなかっただけなんです。
採用改善というと、
新しいノウハウや手法を探しがちですが、
最初にやるべきことは
「どう見られているか」を知ることです。
Q:経営者にとって、その一歩はどんな意味を持ちますか。
白根氏:
自社を否定することではありません。
むしろ逆で、
努力が届いていない理由を知るということです。
採用が止まる原因は、
魅力不足でも、やる気不足でもない。
本音が見えていない構造があるだけ。
その構造に気づいた瞬間から、
会社は少しずつ、でも確実に変わり始めます。
第1回を終えて
採用の問題は、
「人が来ない」という結果だけを見ると、
つい表面的な対策に走ってしまいます。
でも本当は、
相手の視点をどこまで想像できているか
その一点に集約されているケースがほとんどです。
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