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なぜ採用コストは、年々重くなっていくのか
――「転職前提時代」に組み込まれてしまった経営の悩み
「採用にお金がかかるようになった」
これは多くの経営者が、ここ数年で強く感じている変化ではないでしょうか。
以前は、求人を出せば一定数の応募があり、
人材紹介を使うにしても「どうしても必要なときの手段」という位置づけでした。
ところが今は、紹介会社を使うことが“前提”になりつつあります。
その背景を、白根さんはこう捉えています。
Q:白根さんが感じる、採用環境の最大の変化は何でしょうか。
白根氏:
やはり「転職前提」が当たり前になったことですね。
これは新卒・中途を問いません。
一社で長く働くことを前提に企業を選んでいる人は、正直かなり少数派です。
学生も社会人も、
「まずは数年働いてみて、合わなければ次を考える」
という感覚を、極めて自然に持っています。
Q:それは企業側にどんな影響を与えていますか。
白根氏:
採用コストが“単発の投資”ではなく、
繰り返し発生する前提コストになりました。
たとえば中途採用。
人材紹介料は年収の30〜35%が相場です。
年収500万円の人材なら、150万〜175万円。
これを毎年、数名ずつ採用する。
さらに数年で退職すれば、また同じコストがかかる。
経営者としては、
「人を増やしたい」
「でも増やすほど固定費が増えていく」
という、非常にやりにくい状況になります。
Q:「人材紹介会社が高い」という声もよく聞きます。
白根氏:
そうですね。ただ、僕は金額そのものより、
頼らざるを得ない構造が問題だと思っています。
紹介会社を使うこと自体は悪いことではありません。
即戦力が必要な場面では、合理的な選択です。
ただ、それしか選択肢がない状態になると、
採用は完全に外部依存になります。
Q:外部依存になると、何が起きるのでしょうか。
白根氏:
毎年「今年も人が足りない」「またお願いしないと回らない」という状態になります。
結果として、採用が経営判断ではなく、
**“やらざるを得ない作業”**になります。
実際、毎年紹介会社経由で採用している会社ほど、
「今年もこのくらいは出ていくもの」と
採用費を固定費のように扱っています。
これは、経営の自由度を静かに奪っていきます。
Q:中小企業は、どう向き合えばいいのでしょうか。
白根氏:
「紹介会社を使う・使わない」という二択ではありません。
大事なのは、
自社で人が集まる理由を、少しずつ取り戻すことです。
なぜ応募が来なくなったのか。
なぜ今のやり方になっているのか。
そこを整理しないまま走り続けると、
採用はどんどん“重たい経費”になります。
第2回を終えて
採用コストが重くなったのは、
経営者の努力不足ではありません。
社会構造そのものが変わった結果です。
だからこそ、
「昔と同じやり方」を続けることが、
リスクになってしまう時代に入っています。
次回は、
その“ズレ”が最も分かりやすく表れた、
ある建設会社の採用事例を取り上げます。
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