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300万円かけても、なぜ1人も会えなかったのかー白根孝昭氏③

300万円かけても、なぜ1人も会えなかったのか

――真面目な会社ほど陥る、採用の落とし穴

「300万円かけて、誰にも会えなかった」
この話をすると、多くの経営者が驚きます。

しかし、白根さんのもとには、
似た相談が決して少なくありません。

Q印象に残っている採用事例を教えてください。

白根氏:
建設会社の事例です。
新卒採用のために、大手求人媒体に約300万円。
期間はおよそ1年半。
結果、応募者と1人も会えませんでした。

Q会社として問題があったのでしょうか。

白根氏:
まったくありません。
売上もあり、資金もあり、社長も30代後半で優秀。
経営状態としては、むしろ良い会社です。

ただ一つ、
業界の常識でしか魅力を語っていなかった。

Q業界の常識、とは?

白根氏:
「年間〇〇棟」「施工実績」「技術力」。
建設業界では大きな強みです。
でも学生からすると、
「それが自分にどう関係するのか」が分からない。

学生は、
会社を評価しているのではありません。
自分がそこで働く未来を想像しているんです。

Q学生は、どんな情報を求めているのでしょうか。

白根氏:
入社後のリアルです。
どんな先輩がいるのか。
1年目は何に悩むのか。
失敗したとき、誰がどうフォローするのか。

別の会社では、
若手社員の1日のスケジュールを具体的に紹介しただけで、
説明会後の面談参加率が大きく変わりました。

派手な施策ではありません。
視点を「会社」から「人」に戻しただけです。

Q採用で陥りがちな落とし穴は何でしょうか。

白根氏:
「伝えているつもり」になっていることです。
企業側は一生懸命説明している。
でも相手がどう受け取ったかを確認していない。

採用が止まる会社ほど、
実はものすごく努力しています。
ただ、その努力が学生に届いていないだけなんです。

3回を終えて

採用がうまくいかない原因は、
会社の魅力不足ではありません。

視点のズレ
それが積み重なった結果として、
「誰にも会えない」という現象が起きています。

次回は、
採用の先にある「定着」の話。
辞めたいと言われた社員の、本当の理由に迫ります。

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