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津沢浩二さんのインタビューで、何度も出てきた言葉があります。
それが、**「ベクトルを合わせる」**という言葉です。
この言葉は、組織づくりにおいて非常に重要な意味を持っています。
津沢さんは、シャープの営業企画部門で、新製品商談会や販売施策の運営に携わってこられました。
新製品商談会とは、単に新しい商品を紹介する場ではありません。
商品の開発意図を伝える。
売り方を共有する。
販売店にどう提案するかを考える。
営業担当者の理解をそろえる。
つまり、営業のベクトルを合わせる場だったのです。
商品をつくる事業部には、事業部の考えがあります。
販売する営業担当者には、営業現場の事情があります。
販売店には、販売店の考えがあります。
それぞれが別々に動いていては、どれだけ良い商品があっても成果にはつながりません。
だからこそ、営業企画の役割は重要でした。
単に資料を作ることではなく、関係者の方向をそろえ、同じ目的に向かって動けるようにすることが役割だったのです。
これは、中小企業にもそのまま当てはまります。
社長が熱い想いを持っている。
しかし、それが社員に伝わっていない。
営業担当者は、それぞれの判断で動いている。
現場は、日々の仕事に追われている。
このような状態では、会社全体の力は一つになりません。
大切なのは、社員全員に同じことをさせることではありません。
同じ方向を向いてもらうことです。
たとえば、地域密着の工務店であれば、
自社は何を大切にしているのか。
どんなお客様に選ばれたいのか。
見学会で何を伝えるのか。
初回面談で何を聞くのか。
営業後のフォローで何を大切にするのか。
これらがそろっていなければ、社員の行動はバラバラになります。
逆に、ベクトルが合えば、会社は小さくても強くなります。
社員数が少ない会社ほど、方向性のズレは大きなロスになります。
一人ひとりの力を最大化するためには、社長の想いを、現場が動ける言葉や仕組みに変えることが必要です。
津沢さんの話から見えてくるのは、強い組織とは、優秀な人が集まった組織ではなく、同じ方向を向いて動ける組織だということです。
中小企業に必要なのは、立派な組織図ではありません。
社長の想いを現場に伝え、社員の行動をそろえる仕組みです。
それが、営業企画的な機能であり、組織を動かす力になります。