ブログ

経営改善の前に問われる「経営者の覚悟」

万松青果株式会社 中路会長インタビューの第2回です。

今回のインタビューで、中路会長が中小企業診断士としての活動を通じて感じてきたことを伺いました。

その中で、非常に厳しい言葉がありました。

「経営改善というより、経営者としての自覚や覚悟が感じられない方が多い」

これは、経営者を批判するための言葉ではありません。
しかし、中小企業支援に関わる立場として、避けて通れない問題提起だと感じました。

中路会長は、紹介を受けて相談に来られる経営者と接する中で、いくつもの現実を見てこられました。

アポイントを何度も変更する。
債務超過であるにもかかわらず、経営者自身がその事実を理解していない。
会社のお金と個人のお金の区別がついていない。
税理士からも、そこを厳しく指摘されていない。

もちろん、すべての経営者がそうだということではありません。

ただ、経営改善を進める以前に、まず経営者自身が自社の現実を正しく見ているのか。
この問いが、非常に重要だと感じます。

経営改善という言葉には、どこか前向きな響きがあります。
・売上を伸ばす。
・利益を改善する。
・資金繰りを安定させる。
・新しい事業に取り組む。
・社員を育てる。

どれも大切です。

しかし、その前提として、自社の現状を直視することが必要です。

数字が悪いことが問題なのではありません。
悪い数字を見ないことが問題です。

資金繰りが苦しいことが問題なのではありません。
資金繰りを把握していないことが問題です。

会社と個人のお金が混在していることも、経営の判断を大きく狂わせます。
本来、会社に残るべきお金が見えなくなり、利益が出ているのか、資金が回っているだけなのかも分からなくなります。

経営者にとって、自社の現実を見ることは、時に苦しいことです。
しかし、そこからしか改善は始まりません。

中路会長の話を聞いていて感じたのは、経営者に必要なのは、完璧さではなく、現実から逃げない姿勢だということです。

分からないことは、分からないと言えばいい。
数字が苦手なら、学べばいい。
厳しい状態なら、早めに相談すればいい。

一番危険なのは、見ていないことにしてしまうことです。

中小企業の経営は、経営者自身の姿勢が会社全体に反映されます。
経営者が数字から逃げれば、会社も現実から逃げる体質になります。
経営者が約束を軽く扱えば、社員も約束を軽く扱います。
経営者が自分のお金と会社のお金を分けなければ、会社の規律は崩れます。

経営改善は、制度やノウハウから始まるのではありません。
経営者が、まず自分自身に問いかけることから始まります。

「私は、自社の現実を本当に見ているだろうか」

この問いを持つことが、変革の第一歩ではないでしょうか。