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万松青果株式会社 中路会長インタビューの第3回です。
今回のインタビューで、中路会長が最近感じていることとして話されたのが、若い世代の行動範囲の狭さでした。
30代の社員でも、交友関係が中学時代からの友人に限られている。
家に帰ると、スマートフォンで友人とゲームをする。
外に出て、違う人と交流する機会が少ない。
これは、若い世代への批判ではありません。
むしろ中路会長の言葉からは、社員にもっと広い世界を見てほしいという思いが伝わってきました。
人は、知っている世界の中で物事を考えます。
会う人が同じ。
行く場所が同じ。
話す内容が同じ。
経験することが同じ。
そうなると、仕事の発想も、人生の選択肢も、どうしても狭くなります。
だからこそ、行動範囲を広げることが大切です。
今回のインタビューで印象的だったのが、福岡への視察旅行の話です。
社員が自分でJRエキスプレスやANAのアプリを使い、予約を取り、現地集合をする。
中には、初めて自分で予約を取った社員もいたそうです。
経営者から見ると、「それくらいできて当然」と思うかもしれません。
しかし、社員にとっては大きな一歩だったのかもしれません。
自分で調べる。
自分で予約する。
自分で時間を確認する。
自分で現地に向かう。
知らない土地に行く。
新しいものを見る。
この一つひとつが、社員の経験値になります。
社員教育というと、研修、マニュアル、面談、評価制度などを思い浮かべることが多いと思います。
もちろん、それらも大切です。
しかし、人が成長するきっかけは、日常の少し外側にあることが多いのではないでしょうか。
いつもと違う場所に行く。
いつもと違う人と話す。
いつもと違う段取りをする。
少し不安なことを、自分でやってみる。
そうした経験を通じて、社員は少しずつ自信を持ちます。
自分にもできる。
知らない場所にも行ける。
新しいことにも対応できる。
そう感じることが、仕事への姿勢にもつながっていきます。
中小企業では、社員に任せることが難しい場面も多くあります。
つい、経営者や上司が先回りしてしまう。
失敗しないように、細かく指示してしまう。
結果として、社員が自分で考え、自分で動く機会を奪ってしまうこともあります。
中路会長の話は、社員の成長には「経験の場」をつくることが大切だと教えてくれます。
行動範囲が広がれば、視野が広がります。
視野が広がれば、仕事の意味も変わります。
仕事の意味が変われば、社員の成長も変わります。
社員を育てるとは、知識を教えることだけではありません。
社員が自分の世界を広げるきっかけをつくること。
それもまた、経営者の大切な役割だと感じました。