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2027年、地域密着工務店はどこへ向かうのか
住宅業界を取り巻く環境は、大きな転換期を迎えています。
建築資材や住宅設備、人件費などの上昇によって、住宅価格は高止まりしています。住宅ローン金利も上昇する方向にあり、住宅購入を検討するお客様の負担は大きくなっています。
人口や世帯数の減少、空き家の増加、住宅の長寿命化などを考えると、今後、新築住宅市場が以前のような形で拡大することは期待しにくくなっています。
ただし、住まいに関する需要そのものがなくなるわけではありません。
むしろ、住まいに関する悩みや選択肢は、これまで以上に増えていきます。
お客様の住まいに対する考え方が変わる
これまでの住宅購入では、一度家を建てたら、その家に生涯住み続けるという考え方が一般的でした。
しかし、働き方や家族構成、収入、健康状態などは、人生の中で変化します。
結婚や出産、子どもの独立、転職、親の介護、定年などによって、必要な住まいの広さや場所も変わります。
そのため、若い世代を中心に、今の暮らしに合った住宅を選び、将来は売却や住み替えを検討するという考え方も広がっています。
住宅の選択肢も増えています。
注文住宅だけでなく、規格住宅、建売住宅、中古住宅の購入、リフォーム、リノベーション、二拠点居住、賃貸住宅などを比較し、自分たちの暮らしに合った方法を選ぶ時代になっています。
地域密着工務店が考えるべきこと
住宅価格と金利が上昇する中、これまでと同じように新築住宅だけを提案していても、お客様の予算に合わないケースが増えていきます。
お客様が求めているのは、新築住宅を建てることだけではありません。
家族が安心して暮らせること、無理なく住宅ローンを返済できること、将来の変化にも対応できることです。
地域密着工務店には、建物の性能やデザインだけでなく、住宅ローン、維持費、修繕、住み替え、売却まで見据えた提案が求められます。
また、新築住宅の引き渡し後も、定期点検、修繕、リフォーム、相続などを通じて、お客様との関係を長く続けることが重要になります。
年末までの11回で考える3つのテーマ
このシリーズでは、2027年に向けて地域密着工務店が考えるべきことを、3つのテーマに分けて取り上げます。
テーマ1 金利・建築費上昇時代の住宅提案
住宅価格と住宅ローン金利が上昇する中で、お客様が安心して住宅を購入するために、工務店はどのような提案をすべきかを考えます。
月々の返済額だけでなく、教育資金や老後資金、将来の修繕費まで含めた資金計画が必要になります。
テーマ2 「一生住む家」から「人生に合わせる住まい」へ
住まいは、一度選んだら終わりではありません。
家族構成、仕事、年齢などの変化に合わせて、直す、貸す、売る、移るという選択肢があります。
住宅を建てるときから、将来の住み替えや出口まで考える必要があります。
テーマ3 「建てて終わり」から地域の住まいを支える工務店へ
新築着工戸数が減少する時代には、新築住宅だけに依存しない事業づくりが必要です。
OB顧客への定期点検、修繕、リフォーム、中古住宅、空き家、相続住宅など、地域には多くの相談があります。
地域の住まいに関する相談窓口になることが、これからの工務店の役割になります。
2027年に向けて方向を決める
環境が変化してから対応を考えるのではなく、2026年のうちに自社の方向を決め、準備を始めることが大切です。
・これから、どのようなお客様を支援するのか
・新築以外に、どの事業を育てるのか
・OB顧客と、どのような関係を築くのか
・地域の中で、どのような役割を担うのか
こうした問いに対する答えは、会社によって異なります。
大切なのは、自社の強み、地域の状況、顧客の変化を踏まえて、自社なりの方向を明確にすることです。
年末までの11回を通じて、最近の住宅事情を整理しながら、2027年に向けた地域密着工務店の新しい役割と事業の可能性を考えていきます。
次回からは、最初のテーマ「金利・建築費上昇時代の住宅提案」に入ります